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 レコードプレーヤー・トーンアームのセッティング

ここでは
● レコードプレーヤー Technics SL-1200MK2
● MCカートリッジ  Denon DL103
●「Phono端子」のある一般的なプリメインアンプ
を例にしてレコードプレーヤー・トーンアームのセッティング方法を解説します!


レコードプレーヤーの設置

レコードプレーヤーは、オーディオラック等、外部振動を受けない、しっかりした水平な場所に設置します。
水準器を使ってきちんと水平出しをしておきましょう。


アンプと接続

アンプの入力端子を確認して、レコード再生用の「Phono端子」に接続します。
アンプに「Phono端子」がない場合、フォノイコライザーが別途必要になります。(フォノイコライザー内蔵プレーヤーを除く)
またアンプとの接続ではアースを忘れずに!


カートリッジ + ヘッドシェルの取り付け

あらかじめカートリッジを取り付けたヘッドシェルをトーンアームの先端に取り付け、ロッキングナットを回してしっかり固定します。


トーンアームの調整

トーンアーム ゼロバランス

トーンアームは以下の調整を行います。
【1】 ゼロバランス
【2】 針圧調整
【3】 アンチスケーティングの設定
【4】 トーンアームの高さ調整

【1】 ゼロバランス

トーンアームは中心からやや後ろに支点がある天秤のようなモノです。
カートリッジごとに重さがちがうので、後ろに付いているバランスウェイトを前後させ、トーンアームが水平になるようにバランスを取ります。
うまくバランスがとれたら、バランスウェイトの前側にある「針圧目盛りリング」だけを回転させて、アーム後部軸の中心に”0”「ゼロ」を合わせます。
これを「ゼロバランスをとる」と言います。
その際「アンチスケーティングコントロールつまみ」は0に。
「アンチスケーティング*」のつまみが「0」になっていないと、この時トーンアームが外側に動いてしまいます。(*【3】にて)
水平バランスを調整する際に、カートリッジの針先がターンテーブルシートや本体に触れないように注意してください。

トーンアーム ゼロバランス


【2】 針圧調整

取り付けたカートリッジの説明書、またはインターネットなどで針圧を調べます。
● DL-103 針圧:2.5(±0.3)g
先ほどは「針圧目盛りリング」だけを回転して「ゼロ」にしましたが、今回はバランスウェイトごと回転させ、(前側にゆっくりスライドします。)カートリッジ指定の針圧(グラム数)(ここでは、Denon DL-103の針圧2.5g)に合わせます。
このときトーンアームの前後のゼロバランスが崩れ、カートリッジ側に2.5gの重さがかかった状態になります。これが「針圧調整」です。

針圧2.5g


【3】 アンチスケーティングの設定

カートリッジの針先はレコードの音溝をなぞっているときに、レコードの内周に向かって引っ張られる力学的な力(インサイド・フォース)が発生します。
レコードにはミゾがあるので通常は滑りませんが、針圧が軽すぎる、針先が摩耗、などでトレース能力が低下するとターンテーブルの内側に滑っていってしまいます。
その内周に向かう力を打ち消す機構を「アンチスケーティング」または「インサイド・フォース・キャンセラー」といいます。
「アンチスケーティングコントロールつまみ」を使って先ほどかけた針圧と同じ(ここでは2.5)に設定します。

「インサイド・フォース・キャンセラー」は、レコードプレーヤーによって、ツマミを回して設定するもの、糸で吊るした重りの位置を変えて設定するものなどがあります。

インサイド・フォース・キャンセラー


【4】 トーンアームの高さ調整

トーンアームの支点付近にトーンアームの高さを調整する機構があります。
ターンテーブルにレコードをセットし、リフターを静かに下して、針先をレコードに下ろします。
(このとき、レコードプレーヤーによってターンテーブルが回転してしまうタイプがありますので、そのときは電源コードを抜いて調整をして下さい。)

レコードに針が下りた状態で、横から見てトーンアームが水平になるように、支点付近のネジをゆるめ、トーンアーム自体を上下に動かして、調整してください。
針先を傷めないように気をつけて。
アームの高さ調整をする時はアームロックつまみをまわしロックを解除してください。またアームの高さ調整後は、必ずアームロックつまみをロックしてください。

トーンアームの高さを調整できない機種もありますが、トーンアームが水平より角度がついていると、針が飛びやすくなったり、レコードにもダメージを与える場合があります。
以上でセッティングは完了です。

プリメインアンプ

ボリュームが絞られていることを確認してから(ボリュームを絞ってから)、アンプの電源を入れ、入力セレクターを「PHONO」「MC」ポジションに切り替えてターンテーブルを回します。リフターをゆっくりと下げて針を下ろします。
その後、ボリュームをゆっくりと上げて、レコードを楽しんで下さい。

今回の説明では
● レコードプレーヤー Technics SL-1200MK2
● MCカートリッジ  Denon DL103
●「Phono端子」のある一般的なプリメインアンプ
を例に解説しています。
(※ アンプの機種によって、MCカートリッジを使用する場合、昇圧トランス等が必要になります。)